清洲橋、永代橋、勝関橋、重要文化財指定記念式典
11月3日、清洲橋、永代橋、勝関橋が重要文化財に指定されたことに伴う記念式典に出席し、環境建設委員長として、都議会を代表し祝辞を述べました。
清洲橋と永代橋は、関東大震災後の帝都復興事業の象徴として、また、勝鬨橋は、我が国で最大規模の跳開橋として、いずれも当時の最先端の技術を駆使して建設されており、我が国の橋梁技術史上、高い価値がある橋梁です。
都道府県が管理する橋として初めての重要文化財指定であり、3橋同時指定も初となります。今後は、都の貴重な管理橋として、長く供用できるよう長寿命化を図かりつつ保存・活用されることになります。
清洲橋(昭和3年3月竣工)・・・当時の最先端技術による昭和初期を代表する吊橋
永代橋(大正15年12月竣工)・・・新たな鋼材を使うことで最大支間を実現した鋼アーチ橋
勝鬨橋(昭和15年6月竣工)・・・国内最大の可動支間を有する技術的完成度の高い構造物
【環境建設委員長挨拶 要旨】
ただ今、ご紹介いただきました、東京都都議会 環境建設委員会委員長の谷村でございます。
清洲橋、永代橋、勝関橋の三橋がめでたく国の重要文化財に指定された記念式典開催にあたり、東京都議会を代表いたしまして、一言、お祝いを申し上げます。
本日、ここに、多数のご未賓、並びに、関係者の皆様方とともに、重要文化財指定を祝うことができましたことは、誠に喜ばしいかぎりでござます。
重要文化財指定に至るまで、ボランティアで橋梁の清掃を定期的に行うなど様々なご協力をいただきました地元の方々や、文化庁、中央区、江東区など関係者の皆様方のご努力に敬意を表するとともに、皆様方が首都東京を代表するシンポルとして愛し、大切に保全し、活用されてきた賜物と感激し、深く感謝を申し上げる次第でございます。
さて、このたび重要文化財に指定された、三橋の架かる隅田川は、フランス・パリのセーヌ川と並び称され、「橋の博物館」と言われるほど多くの美しい橋が架かり、都民や東京都を訪れる多くの方々からも憩いの場として愛される、豊かな水辺空間を持っております。
なかでも、今回、指定となりました清洲橋は、優美な外形から女性的な橋として隅田川に架かる橋梁の中で最も美しいと言われております。
対比する永代橋は、筋肉隆々たる力強い外形から男性的な橋として、関東大震災によって被災した首都東京復興のシンボルとなり、大きな役目を果たしてきております。
また、最下流に架かる勝鬨橋は、中央部分が左右に.ぱっと開く可動橋として東京の名所となるなど、多くの方々から愛されてきた橋であります。
このたびこれらの橋が同時に、国の重要文化財に指定されたことは、国内外問わず多くの人々ら更に注目される存在となり、東京の観光資源として、また、東京都として招致を進めている2016年・オリンピック開催に大きく貢献するものと期待しております。
さらには、地域の重要なランドマークとして橋周辺の方々から、安全で快適な交通路として利用され、地域の更なる発展に寄与すれば都議会といたしましても、これに勝る喜びはございません。
申し上げるまでもなく都政の根幹は、都民の皆様が「安心して心豊かに暮らせる安全で快適なまちづくり」 であります。
とりわけ、世界都市東京への重要な位置づけとなる、文化都市東京を広く海外に発信するためも、今回指定を受けた三橋を初めとする橋梁の保全と活用は重要な課題であります。
こうしたことから、建設局には引き続き道路の整備と管理を着実に進めていただき、指定を受けた橋梁のみならず、次世代に引き継ぐ重要な資産の活用に、ご尽力いただきたいと念願するものであり、わたしども都議会といたしましても全面的に協力していきたと思います。
結びにあたりまして、ご列席の皆様方のご健勝、ご活躍を心から祈念いたしまして、私のお祝いの言葉とさせていただきます。本日は、誠におめでとうございます。