街路樹の倒木防げ/危険箇所の対策万全に/木の診断、植え替えなど急務/台風15号の被害を踏まえ/都議会公明党が緊急調査
日本列島を縦断して深い爪痕を残した台風15号。都議会公明党は、同台風が首都圏を直撃した9月21日、都内の中野区役所付近で倒木のあった現場へ急行し、調査に当たった。このほか各地で倒木の被害があり、都議会公明党の谷村孝彦副幹事長、橘正剛、高倉良生、吉倉正美、栗林のり子の各議員は9月30日、都内の街路樹を緊急調査し、今後の対策を検討した。
◇今回の調査で、谷村副幹事長らは、JR原宿駅(渋谷区)近くの表参道(都道413号)を訪れ、街路樹を視察し、同行した都の担当者から管理状況を聞いた。
都内の街路樹は約70万5000本(今年4月現在)あり、このうち、都道に31万5000本(同)ほどある。その中で倒れると危険な高木(高さ3メートル以上)については、樹木医によって順次、診断が進められている。
2007~09年度には、約1万7000本の高木が調査され、1200本(7%)ほどが、腐朽が著しく、倒木や幹折れの危険がある「不健全」と診断された。その中の約700本(4%)が植え替えられ、残りの500本(3%)ほどは経過観察となった。
一行は現地で、「不健全」と診断された数本の街路樹が、ワイヤで隣の健全な木と結ばれ、倒れないように補強されている状態などを確認。一方で、幹が腐食して大きな穴があき、その中にキノコが生えている木もあった。都の担当者は「キノコが生えている木は、菌に侵されているためで、腐食が進んでいることが分かる」と説明した。
「不健全」と診断された都道の街路樹は、原則として植え替えられるが、地元の住民などから「残してほしい」との強い要望がある場合は、地元と協議の上で対応を決めているという。